草隆社

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銭湯革命

『健康に生き抜く最高の養生』

恵木弘 著
定価4,000円+税

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健康情報があふれかえる現代、人は効果のある食事や運動について、最新・最先端の知識を知りたがります。研究の成果が実り、今までの人が知らなかった画期的なメソッドはこれまで数多く生まれました。そして同じくらい多くのメソッドが一時のブームで終わってしまいました。なぜでしょうか。

多分語られてきた多くの健康法には、それなりの意味や価値があったのでしょう。しかし、健康法の要素である食事や運動にまつわるものは、ほとんど実践してすぐに効果が感じられるものは少ないのです。一方、人はすぐ効果が現れるものを求めます。このミスマッチが健康ブームの正体といってもいいのかもしれません。

「温故知新」という言葉があるように、新しい知識も過去の知識ベースに根差したものにほかなりません。突拍子もなく現れる知識は胡散臭くて危険なものかもしれません。健康法もまったく同じです。必要な栄養を取り、運動によって健全に代謝し、安定した睡眠をとって体を再生産し続けることが健康、すなわち養生の大原則なのです。

本書ではその大原則を、江戸時代の儒学者で本草学者(今でいう薬理学者)の貝原益軒が残した『養生訓』と照らし合わせながら「現代のあるべき形」を解き明かします。

日本は人生百歳時代に突入し、人々の健康知識のニーズはただの長生きではなく、健やかな長生きとなりました。『養生訓』の教えに基づき、健やかな長生きの秘訣は「自分が住んでいる環境と調和を取ること」であると著者はとらえます。その調和は、伝統的な東洋医学の知識の神髄に触れることで認識が深まります。食と心のあり方の作法を学ぶことによって。

著者について

1959年明治薬科大学卒業。薬剤師。1967年薬局を開設、1971年香港で中医学を学ぶ。 現在、恵心堂漢方研究所長。城西国際大学薬学部非常勤講師、日本東洋医学会会員、港九中医師公会永遠名誉会員、株式会社東洋薬行取締役会長。 全国で医師、薬剤師、一般市民向けの講演活動をしている。 主な著書に『漢方・婦人疾患の治し方』共著:高橋書店、『実践中医学』:新樹社書林、『地道薬材』共著:樹芸書房がある。