風呂屋のオヤジの番台ブログ

« 2007年08月 | メイン

2007年10月08日

ボランティアは立派だねえ

 「銭湯のオヤジさんが本を出したっていうんで、読みたくてK町からやってきたんだけど、一冊分けてもらえますか」

 と見慣れない70がらみのダンナが見えた。

 「アタシの本を?。そりゃそりゃあ。一応お貸しもしているんで、ゆっくり読んで返してもらえばいいですよ」

 「そう、貸してもらえるの?。それは有り難い。じゃ名前を書いていきますから」

 となりメモに名前と住所、それに生年月日までご記入された。ホウ、几帳面な方だ。この人、名前を書きながら問わず語りに話し出した。

 「あたしね、S園で老人介護のボランティアをやってんのよ。あそこに入っている人達はほとんど末期ガンなんですね。介護していても切ないですよ」

 ウーン、高齢者の介護かあ。S園といえば老人施設と聞いているが、この方も先ほどの生年月日によれば昭和6年生まれとなっていたな。とすればすでに76才だ。同世代の病床にある人を献身的に介護する−−。ちょいとマネができねえなあ。立派だねえ。

 そういえば当湯(うち)のお客さんにも介護あるいはヘルパーをやってる方が結構いますなあ。思いつくままにちょいと書いてみようかな。

 まずは60半ばの男性。定年になって年金生活でやることもなく、毎日ブラブラしていてもしょうがない、少しは世の中のためになることをやってみたいと還暦過ぎて一念発起?。介護の資格を取得して在宅介護とやらを始めたんですな。週に2度ほど入浴に見えるんだけど、アタシャ聞いてみたんだ。

 「在宅介護てどんなことをやるの?」

 「病院へいく時や出かける時に付き沿って送り迎えをすることが主なんだけど、いろんな年寄りがいるんだねえ。やっと歩く程度の人や、俺ぐらいの年の人もいるんだよね」

 「やっと歩く程度ってじゃ在宅介護だからオシメを替えたりメシを作ってあげたりもするの?」

 「オシメにメシ?。あのねえ女中さじゃないんだからね」

 そうだろうなあ。無知なオレは在宅介護っていうからオシメにメシに布団を敷いたり、一緒に寝て子守歌を歌ってやったりするのかとね、オイオイ……。

 続いては週に2回程、いつも年配のおばあさんとお供のように見えられるやはり60近いおばちゃんがいる。

 「一緒に見える人はお宅の身内の人なの?」

 「いえ、全然他人なんだけど、おばあちゃんが入院していた時、あたしが介護についたんだけど、おばあちゃんが退院しても、わざわざあたしのところへやってきて、これからも面倒をみてくれないかっていうんです。あたしもちょうど病院をやめて仕事をしてないからそのまま付いてあげてんの。週に2回だけど」

 「おばあちゃんは幾つですかな」

 「93才だけど耳も目もしっかりしていて昔の女子大の英文科を出ているんで、今でも英語の本を開いているんだから」

 ホホウ、スゴイおばあちゃんだ。そういえば本が好きだと見えてアタシの単行本なんかもかならず購入してくれましたなあ。

 さらには目の不自由な人の手を引いてお風呂に入れてあげたり、高齢で歩行も不自由なおばあちゃんに、やはり手を引いてお風呂へ入れ、全身くまなく洗ってあげたりと。この人達は時間的にヘルパーを努めるようですな。

 また、江戸東京博物館でガイドのボランティアをやってる70の男性もいますし、まだまだいろんな形で社会貢献をしている人が多いんですなあ。

 ハア?、そういう風呂屋のオヤジは何かやってんのかですって?。アタシねえ、毎日フロントに座ってボケーッとゼニを頂いているだけだなあ。ホントは何かやってみたいんだけど何せこちとらがもう介護を受けたいようなじいさんになっちまったからなあ−−。

2007年10月07日

再びブログ再開

 ここんところ、ちょっとブログに御無沙汰していたらお客さんから

 「この頃あまり書いてないんですか?」
 
 と言われた。

 ホホウ結構見てくれてんですな。

 実はね今までのブログをまとめた「風呂屋のオヤジの日々往来」という本も出版してもらったんで、ブログの方はちょいと小休止をしていたんですな。しかしご要望がある?となりゃあ、そろそろ始めますか…てなことで先日「ブログ再開・銭湯開始だ!」とリキんだんだが、そんな矢先に何やらやら急に両腕が痛んできちゃったんだ。なんだか分からんが腕を上に持ち上げるのもちょいとシンドイ。

 こりゃあイカン!。ブログどころじゃないわい。で、億劫だったがしょうがない、お医者さんへとなったんだ。しかし、両腕が痛いのは内科じゃあるまい。まさか婦人科じゃなかろうし、かといって泌尿器科でもねえしな。

 とすりゃあ外科だろうが外科は外科でも整形外科だな。うっかり外科へ行って腕を切開されたら、それこそブログどころじゃなくならあ。ということで近くの整形外科へ出向いたという次第でさあ。

 お医者さんはいつ行っても混んでるねえ。これも毎回書かせてもらうことだが、未曾有の高齢化時代になって病院はお年寄りで溢れ返っている。年をとりゃあどっか悪くなるもんねえ。待合室は杖をつきヨッタンヨッタンと歩く人から車椅子を家族に押されて見える人などまさに老いたるヒトの百花繚乱?よ。

 いずれアタシもそんな仲間入りをするんだろうが。そう思っちゃうと何とも滅入ってしまうがまあ浮世の流れでしょうがなかろう。

 待つこと一時間余、やっと番が回ってきた。50年配のドクターに病状を説明するとドクターは両腕と首のレントゲン撮影だ。いずれも骨が老化してんだという御託宣である。この年齢になるとかならず「老化」の2文字が出てくるわい。お医者へ行くといつも老いの悲哀を感じさせられるねえ。

 さて、ドクターは「首から来ている痛みだから」と首に注射を打ち、後は整形外科特有のリハビリになる。整形外科のリハビリ風景も以前、書かせてもらったが、いずこも同じ治療法だ。ベッドに寝て腰をバンドで固定して伸ばすんだが、この格好「さあ煮るなり焼くなり勝手にしてくれ……」という図だ。

 続いては首筋を吊って牽引する。これも何やら世の中をはかなんで首を吊っちゃう……オイオイ。さらに低周波を当ててピリピリのビりビリだ。さらに……モシモシあのねえ、ブログの話はどうなっちゃったんだ?

 俺は健康だからオヤジの医者のノーガキを聞いてもしょうがねんだ。ウンそうだな、しかしそう急ぎなさんな。こっからがブログ再開の弁になるんだから 整形外科のドクターが診察当初こう宣われたんだ「腕が少しよくなるまでは重いものを持ったり、パソコンなどはあまりやらないほうがいいですね」と。

 それで尚更ワープロを叩くことに恐れをなしてしまったんだ。重いものは現在家の者がほとんどやってくれるからアタシャ箸より重いものを持たないというまことにいい身分なんでさあ。

 そして通院することかれこれ3週間。ドクターにお伺いを立ててみたんだ、

 「アタシ、パソコンじゃなくてワープロを叩くんですけど、ワープロなんかもあまりやらないほうがいいですかねえ?」

 「いや、根をつめてやらなければ差し支えないでしょう」

 というお許しがでたんだ。で、ブログ再開という次第なんだけどね。
 
 再開の弁までやけにくどくど手間取ったけどそんなわけで、さあバリバリとおっかなびっくり、アンドスロースローと始めまっせ。乞うご期待さ。ヘッ誰も期待なんかしてねえよ。どうせ始めたはいいが、また「腕が痛いようっ」なんて泣きが入るんじゃねえのかい−−。






文章および画像の複製、および無断転載を禁止します。

Copyright © SORYUSHA All Rights Reserved.