テレビ情報誌だって
「東京ニュース通信社で、テレビ情報誌を出している会社ですが、今度、銭湯の特集をやりたいのでお話を聞きたい……」
という電話が入ったのが数日前。
そして今日、30代と思しき若い記者さんが二人でやってきた。お二人とも記者というよりも、いつだったか首都圏の大学生とそのOBが出している「キャンパス・スコープ」という新聞の取材を受けたことがあったけど、今日のお二人も何やらそんな雰囲気だな。若々しいよ。
以前、ここんところどういう風の吹き回しか、新聞社の記者さんがよく取材に見える……と書いたが、その風の吹き回しはまだ続いているようで、今度はテレビ情報誌ということになったよ。テレビ情報誌といったところでアタシのような古い人間で、テレビにさして興味のない者にとっては、まあ無縁の存在でもある。
しかし「銭湯特集をやりたい」と聞きゃあ「オッいいねえ」となっちゃう。少しでも浴場PRになるんなら万難を排して(大げさな)協力よ。
記者さんの名刺には「東京ニュース通信社・企画編集室・特派記者」というのがお一人。もう一人は「出版編集局・テレビブロス担当」となっている。さっそく「TV Bros」なる雑誌を見せてくれた。週刊誌並みの大きさで2週に1回発行しているそうである。パラパラとめくってみた。
2週のテレビ番組を中心に、若者向けの様々な特集が満載の感じである。
「対象は30代で、全国で50万部の発行です」
と記者さん。ホウ50万部かあスゲエな、とまあ単純に驚いたが、後刻、当湯(うち)のお客さんである本屋さんに聞いてみたら「結構売れますよ」ということなので50万部も納得だ。
取材が始まった。テーブルのアタシの前に小さな録音機を置いて、オイオイ録音機とはまた古いねえ、それはテ−プレコーダーっていうもんよ。ヘエ〜、テープレコーダーねえ。ほんとかよォ、携帯電話の半分ほどでっせ。
ということで若い記者さんがぼつぼつと聞いてくる。まあ、新聞記者さんの質問事項と大筋は似ている。銭湯の歴史から現在の銭湯模様、それに付け足しのようにアタシの湯屋歴なんかも聞いてきたな。アタシャ、この当りの質問はヘンに取材慣れ?しちゃってるから記者さんが一つ聞いたら三つ答えちまう。そしてアタシの持論でもある定番のセリフを繰り出すんだ。
「現在の銭湯はね、自家風呂保有率が90%を越してるような状況では、もうかってのように体を洗うだけでは必要がなくなっている。今は湯を楽しむという価値観を売らなければ商売にならない。広い空間にさまざまな健康・美容機能を導入し、家庭風呂では到底味わえない湯の楽しさを売るんだ。
アタシのフレースは表の看板にも出てるけど『今 銭湯に湯のぜいたくがある』っていうんだ。業界全体が設備とサービスを提供するのが今日の銭湯である、と今懸命さ。おかげで現在の銭湯のお客さんの7割以上が内風呂を持っている人達だからね。さらに近年の特徴は、銭湯を知らないで育った若い世代がボチボチと増えていることなんだ。
も一つ、これも持論なんだが、若い人に支持されない商売は、銭湯に限らず将来性がないと思ってんでね……」
そんなこんなの取材が一応終わったところで、若いお二人は、今度はカメラを持ち出した。浴室から脱衣場、さらにはフロント・玄関までバチバチ撮りまくっていたなあ。そして最後はアタシの写真もときたぜ。しかしねえ
「こんなジジイの写真を撮ったってしょうがねえよ」
と今度は逃げの一手さ
さて、テレビブロスの8月1日号に「ゆったり、たっぷり、の〜んびり。夏こそ行こうよ銭湯!」のタイトルで特集されるという。
若い記者さんがどんな筆さばきをみせるか、ちょいと楽しみだな−−。






