風呂屋のオヤジの番台ブログ

« 大相撲春場所 | メイン | 都知事選だねえ »

お彼岸だねえ

 「今日は暖かいねえ。暑さ寒さも彼岸までとはよくいったもんだよね」

 と言われる人は70過ぎの男性。

 「お墓参りは行ったんですか?」

 「うん、八柱で遠いんだけど、暖かいから出かけてきたよ」

 彼岸の中日である。そこで今日のフロントはほどほどお墓参りの話が出る。

やはり70年配の女性は

 「うちは谷中なんだけど、陽気がいいから今日は混んでいたわねえ。あたしは6人兄姉なんだけど、残っているのはあたしだけだから、あたしの番になると入るところがないくらいよ」

 ホホウ、入るところがねえ。だからといって急ぐこたァありませんな。

 「うちは近所のお寺で墓参りにはまことに都合がいいんだけど、お彼岸っていうんで身内が大勢来てくれたから、そっちのほうの応対が忙しかったよ」

 と言われるのはもう80になるであろうご老体。とにかくやっと春らしくなった一日に皆さんどっと墓参に繰り出したようでしたなあ。

 「うちは高雄なのよ。遠いけど行ってきたよ。年に2回ぐらいは供養しなくっちゃなあ。それにしても人が出てたねえ」
は60ほどの男性。

 こんな人もいましたな。50代の男性だが

 「俺ね、山形の田舎にお墓があるんだけど、まだ一度もお参りしたことがないんだ。まあ、気持ちがあればいいんじゃじゃいかなあ」

 そんなもんですかなあ。

 「こう暖かくなると桜も一気に咲き出すよねえ。しかし、谷中へ行ってきたんだけど、あそこの花はまだつぼみも少なかったなあ」
これは70の男性。

 今日は東京でも開花宣言がなされたそうだが、まだまだ大方の桜は出番を待てるような状況らしい。

 実はアタシんとこも谷中なんだけど、谷中は今や桜の名所になっているようですな、しかし先刻の人じゃないが、今年はツボミもまだ少ないようだ。

 去年行った時なんか、満開の花の下で昼間っから花見の宴を張っていたっけなあ。静かな霊園でマットを敷いて賑やかに花見酒てえのは如何なもんだろ。お墓で安らかに眠る御仏にとって眠りの妨げにならねえのかなあ−−。

 ところでアンタね、この時期になると彼岸、彼岸と動き出すけど、彼岸の謂れって知ってる?。ウン春分のことだろ?、だけどなんでお彼岸っていうのか知らねえなあ。世間がいうから一緒になって彼岸だ春分だと言ってるけど、そういやあ彼岸のことなんか何〜にも分かんねえなあ。

 アタシもね、以前、菩提寺の住職に聞いたことがあったんだけど、改めてちょいと調べてみたんだ。例によって広辞苑である。

 まずは「暑さ寒さも彼岸まで」の意だが、「余寒の寒さも、残暑の暑さも彼岸頃までの意で、ともにその後は気候も穏やかになり凌ぎやすくなる」っていうことだが、ヘソ曲がりは、なんで彼岸頃になると凌ぎやすくなるんだよォ、と思ってしまう。ま、長年の傾向から、そういうもんなんでしょうなあ。

 次いで彼岸とは?になるんだけど、仏教語であり「河の向う側。生死の海を渡って到達する終局・理想・悟りの世界。涅槃(ねはん)」となっている。さあ分からない、アンタ、河を渡った悟りの世界なんていっても理解できるかい?。河を渡るったって隅田川を渡り、浅草の繁華街が悟りの世界じゃねえよなあ。ネオン街で一杯飲んでこの世の悟りを開く……オイオイ。

 それと、もひとつ涅槃(ねはん)ってな言葉も時折耳にするが、これもさっぱり だ。「煩悩を断じて絶対的な静寂に達した状態。仏教における理想の境地}だってさ。これは我々のような煩悩の固まりである人間にゃあちょいと理解の範囲を越えてらあ。

 ま、何にしても日ごろ大して信仰心のない輩が、彼岸とは涅槃とは、などと考えること自体、無理なんじゃねえかなあ。「お彼岸はお墓参りをして故人の霊を弔う日」でいいんだよな。次いでに彼岸団子を食ってショウチューをちょいときこしめし、線香を立ててナンマンダブ、ナンマンダブツと−−。






文章および画像の複製、および無断転載を禁止します。

Copyright © SORYUSHA All Rights Reserved.