キャンパス・スコープ
大学生がやってきた。やってきたって風呂に来たんじゃない、事前に連絡が入っていたのだが、銭湯についての話が聞きたいということである。国士舘大学のY君に早稲田大学のN君という男子学生のお二人で、学生新聞「キャンパス・スコープ」を発行しているその編集スタッフだという。
そして「キャンパス・スコープ」を持ってきてくれたんだが、これがまた立派な新聞なんだよねえ。アタシャ、学生さんが発行する新聞−−という、どちらかといえば軽い感覚?だったんだけど、どうしてすばらしい新聞だ。それもそのはず、天下の読売新聞が支援していて事務所も大読売の広報部内に置いてあり、内容もまた学生、若者に向けた熱いメッセージを発信してんですなあ。
編集後記から新聞の意図を抜き書きしてみると「……2005年秋季号は『多様性のある新聞』を目指した。紙面には、実に40人以上の大学生のメッセージが詰まっている……。メンバーには『記事を通して伝えたいことは何か?』と問い続けた。主張の押しつけは好ましくないが、ただ事実を伝えるだけでは味気ない。『世間の人々に何かをを発信したい。読者の心を動かしたい』。そんな思いが一つ一つの記事に込められている。学生新聞だからこその魅力はそこにある……」ということなんです。古い風呂屋のオヤジは「ウン、これはボーイズビイアンビシャツよ」としたり顔で言いてえんだが、今時こんなセリフはズレてますよなあ。
この「キャンパス・スコープ」は春秋2回の発行で、部数が12万部。それを首都圏や東北地方のなどの31大学から60人の大学生が集まり、企画、取材、記事執筆、広告などを精力的に行っているんですって。
さてさて、キャンパス・スコープの紹介がち〜と長くなっちまったけど、本題に入ろう。取材要旨が「変わる銭湯、今昔」という企画で日本の風呂文化や銭湯の役割について多角的に見つめなおしてみたい−−ということだ。
学生さんは、控え目に要点をキビキビと聞いてくる。それに対してアタシャ聞かれないこともペラペラとやっちゃう。学生さん、笑いながらもきちんとメモをとっている。この手の取材は長年業界でウゴメイテいるもんだから折りに触れて受けているし、質問事項も大方が同じなんである。浴場の来し方から現在の状況、さらにはこれからの銭湯について、と聞いてくる。相手変われど主変わらずだから、アタシも取材慣れ?しちゃってるんで時として評論家みてえな口調になっちゃう。これ、イカンですよねえ。
しかしどんな取材であれ、それが銭湯のPRになるんだったらアタシャ苦労も厭わない(もっとも苦労なんてありゃしないがね)。今日の学生さんは銭湯を若者に向けて発信しようってんだからアタシャ双手を挙げて、いや両手両足を高々と挙げて大歓迎よ。
とにかく現在の浴場のターゲットは、なんたって若者なんですわ。高齢化時代でお年寄りは大事にしなけりゃならないけど、若い世代に受け入れられないショウバイに将来性はないというのがアタシの持論なんでね。
アタシャ、何かあるとすぐ言うんだ「銭湯は内風呂の有無に関係なく街の湯処として健康増進の拠点であり、いやし・やすらぎ・ゆとりの空間である」とね。お陰でこの価値観は年配の方々にも少しずつ浸透しているようですが、若い人が気楽にノレンをくぐってくれるようになっているので、アタシャ何となく手応えらしきものを感じているんですな。この手応えを実感のあるものにしたいと願っているところです。
取材が終わった。「キャンパス・スコープ」の次号は10月1日発行だという。若者が現在の湯屋をどう料理して仲間に発信してくれるだろうか。楽しみだなあ−−。






