風呂屋のオヤジの番台ブログ

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2006年05月29日

ダービー

 前夜来の雨はあがったものの、やや重の東京競馬場の2400m。荒れそうだな。ダービーは競馬界最大の祭典だけに独特の雰囲気がある。脱衣場でもほどほどの盛り上がりである。開店早々に見えた中年の男性。ご多分にもれず競馬マニアである。

「今日はどっからいったの?」「ウン、今年のG1は1枠がほとんど絡んでいるからおとなしくメイショウサムソンから入ったよ」。ホウ、一番人気ですな。

 そしてファンファーレ。脱衣場では4、5人のお客さんが気合を入れて見ている。レースは人気薄のアドマイヤメインがハナを切り直線坂上まで粘りに粘った。3・4番手で追走の本命・サムソンがゴール100m手前で交わし首差でゴール。3着は四番人気のドリームパスポートが追い込んだ。馬連は 2−6 で1120円、馬単も 2−6の2110円である。例によって結果をフロントの掲示板に書き込んだ。

 さて、先刻の当湯の馬券師?があがってきた。掲示板を眺めてうなずいている。

「今日はウマクいったね?」「うんまあまあだったよ。馬単とったからね」

「で、1万もぶちこんだの?」

「まさか、千円とっただけさ」

「ホウ、それでも二万一千円じゃない。スゴイね」

「ウン、しかしなあ中央競馬界には随分貸しがあるからなあ……」。

 この方、いつも脱衣場で競馬を楽しんでいかれるんだが、毎度「ダーメッ」と自嘲的に吐き捨てるような口調だった。しかし今日はゴキゲンである。競馬ってやつは当らなくていい加減イヤになってきた時にポコッと当るんである。そこでまたまたのめり込むという寸法なんだ。ギャンブルの特性?じゃないかな。

 お次ぎである。夕方に見えたのは中年の職人さん。こちらも大の競馬ファン。今日はスポーツ新聞を手にお見えになった。フロントの掲示板を確認してからアタシに話しかけてくるのがいつものパターン。

「メイショウサムソン、強かったね」

「そうね、皐月賞馬だから素直にサムソンから入ったんだけど、3連単で 15番をみなかったからなあ。だけどさ、この新聞見て?、評論家が3連単の予想で13本もあげておいて 15番なんか一つもみてないんだからねえ。当る当らないはともかく、プロの評論家っていうやつが13通りも予想して15をどっこにも書いてないんだから、こりゃあプロ失格だよね」

「そっ、オレもそう思うね。プロの予想屋なんていうもんは、ある意味じゃファンのお金を預かっているようなもんだから、まるっきりの的外れな予想をしたときは本来ならそれなりの責任をとらなきゃいけないようなキビシサが必要だと思うよ」

「ほんと、万券のナントカ−−なんて何回か一回当るとそん時だけ大きな活字で宣伝して、後は当たんなくても知らん顔だもんなあ。いい加減なもんさ」

G1レースの日は競馬談義が脱衣場の話題の中心になりますな。楽しいもんです。

2006年05月27日

テレビ

 テレビが好きなんだなあ、とつくづく思わせるおヒトがいる。

 時折のお客さんで60代の男性である。

 いつも奥さんと一緒であり、入浴料も奥さんがお払いになる。如才無い奥さんとは対照的でまったく寡黙な人である、当湯へ見えてから何年たつんだろうか、アタシャこのダンナと未だに会話をした記憶がない。フロントでアタシの挨拶にも脱衣場でもとにかく無口である。今日は10時過ぎにお見えになった。

 いつものように無言でスーッと脱衣場へお入りになる。椅子に座ってまずはテレビである。かなりの時間を観ている。かなりというのは奥さんが入浴を済ませてフロントへ出てきてもまだテレビということがあるんだ。

 そんな時はアタシャ余計なことだが「奥さんもう上がって待ってますよッ」とご注進に及ぶんである。

 そしてこの方、風呂がやけに早いんだ。そう15分も要さないであろう。アタシのご注進に?無言で立ち上りさ〜っとご入浴になる。まさにカラスの行水、いやカラスが脱帽する程のスピードである。

 しかし時として、脱衣場のテレビがつまんなかったのか奥さんよりも早くフロントへ出てくることがある。そんな時はフロント前のテレビということになるんだが、無言でカウンターの上に置いてあるテレビのリモコンを勝手に使ってゆっくりと画面に見入っている。とにかくお好きなヒトなんですなあ。アタシャここまで徹底してテレビにしがみつく?姿勢に感心さえしてしまう。

 そこでアタシャこの頃、ダンナのテレビ好きをこう解釈してんだ。

「この方は本質的には入浴に見えたのではなく、銭湯好きな奥さんとの付き合いでお見えになっているだけであり、ダンナにとって風呂はどうでもよく奥さんの入浴を待つための時間つぶしで好きなテレビ三昧になってんだ……」とね。

 まあ何にしても今日ビ、テレビが嫌いであるという人はまずいないであろう。一億総テレビ時代は客商売に多分な影響を与えているようだ。視聴率20%などという番組はホント風呂屋泣かせである。昭和27年代に菊田一夫のラジオドラマ「君の名は」が女湯をカラッポにしたという伝説があるけど、今のご時世も風呂屋は人気番組に翻弄されちまっているよ。最もこの傾向は風呂屋だけじゃないらしいけどね。

 さて、いつも遅い時間帯に入っている奥さんが今日は早めにお見えになった。

「オヤッ随分早いですねえ」

「そッ、今晩はあれがあんのよ、あれっ……」

「あれって……?」「あらッ知らないの?韓国ドラマよォ。だから今日は遅い奥さんたちは誰も来ないわよッ」。そうかあ韓流ドラマかあ……。チー様かポン様かロン様かよく分からんが、噂に違わず奥様キラーんなんだなあ。ウ−ム、憎っくき番組であることよ。それにしても平成の御代にも菊田一夫が存在していたとはなあ。

 君の名は? ハイ、ペ・ヨンジュンと申します−−。

2006年05月25日

年は明るくとりたいですねえ

 毎日見える小柄なおばちゃん。もう80はとうに越したと言われるが、まことに明るく元気である。今日もフロントへ来るやいつもの通り「あ〜あ」と軽くため息をつく。このため息がイントロでアタシとの簡単なおしゃべりになる。

「あたしね、血圧が低いんでよくお医者さんへ行くんだけど今日は上が110ぐらいで心配ないって言われたの」「ホウ、それはよかったですね」

「それで一緒に住んでる姪っ子にその話をしたの。姪っ子は心配ないけど、お医者さんにかかった時は静かにして、今日はうちのお風呂に入んなさいっていうのよ」。

「ホホウ、なるほど……」

「だけどさ、静かにしてろったって病人じゃないんだからね。だからお風呂へ行ってくるって言ったら今日はうちのお風呂に入れってまた言うのよ」

「ホホウ……」

「でも、うちのお風呂だと温まんないの。そこであたし考えたの。今日は腰が痛いか

らお風呂屋さんで温めてくる、お風呂屋さんで温まると腰の痛みがなくなるからって

言ったの」。

「ホホウ、そしたら……」

「そしたらね、じゃあ気を付けていってらっしゃいって言ってくれたの。だから姪っ子にどうも有難うってお礼を言ったんだけど、考えるとあたしのお金であたしがお風呂へいくのにお礼をいうなんておかしいわよねえ」

「ホホウ、なるほど……」

「けどさ、ほんとは腰なんかそう痛くないの。アッハッ」

 おばちゃん楽しそうに笑った。そして弾むような足取りで脱衣場へ向かわれた。

 おばちゃん、ゆっくり入ってね。そして腰もよ〜く温めてね。

 さてお次は明るいおばちゃんと対照的なお方。

「おやッ、今日は遅いですね」

「うん、ヨメがさあ…」70半ばのおばちゃんである。

 いつも口をとんがらし、眉根にしわを寄せて一見怒ったような口調でお話になる。

 しかし内実はそう怒ってないのである。クセなんであろう。

「夕方んなってパパが帰ってきたら、急にこれから子供たちと出かけるので、おばあちゃんは弁当を置いておくからお茶を入れて食べてっていうのよ」

「ホホウ……」

「出かけるんならもっと早くそう言ってくれればねえ。こっちだって都合があるんだから。こんなに遅くなって弁当食ってろなんて、うちのヨメはほんとにキツイんだからねえ」。

 ちなみにヨメさんはおばちゃんの娘さんなんである。

 おばちゃんの口調がなんとなく憤然とした感じになってきた時、80過ぎのご老体がお見えになった。おばちゃんの話に軽くうなずき、ボソッと一言。

「今の年寄りはみんなそんな扱いをされてんだよ」

ウーン、なんとまあセツナイことをおっしゃる。シャレや冗談が通んない雰囲気になっちゃったぞ。暗くなっちゃうなあ。この先、話をどう展開させていけばいいんだろ。ウーン、アタシャもう一つうなっちゃった。考えさせられるなあ−−。

2006年05月24日

カミナリさん

 四時半、それまでかんかん照りだった空が、一天にわかにかき曇り、大粒の雨が振り出し、ピカピカッのゴロゴロッで雷雨となった。春雷ってやつか。それにしても昨今の陽気はまったく極端だよ。不穏なご時世を反映してんのかねえ。

 そんなところへ出てきた70年配の奥さん二人。「うわあスゴイッ。どうしよう」

「そのうち小降りになるでしょうから、ちょっと休んでいきなさいよ」

「そうね、これじゃあどうしようもないもんねえ」

 風呂で知り合った常連さんであり、よく冗談を言い合う仲である。浅草生まれと千葉の銚子出身だというお二人である。浅草のヒトがフロント前の冷蔵庫からジュースを2本取り出して銚子のヒトに渡した。「あらまた……今日は私が払うわよ」

「いいって、ジュースの一本ぐらい安いもんよ、ねえダンナさん」とアタシを振り向いた。

 そして言う。「あたしゃ江戸っ子なんだ。宵越しの銭は持たないんだ、なんてイキがるのが江戸っ子なんだから。ねえダンナさん」

 アタシを見やりながらニヤッとした。ホホウ、イキねえ、宵越しの銭ねえ。

「それにしても雷はまだ鳴ってるわね。やあねえ」

「そうですねえ、空が幾らか明るくなってきたからもうすぐ上がるでしょう。イキっていえばカミナリさんもイキだって言うじゃない」

「カミナリがイキ……??。あッ、そうだ、戸を締めさせてね……」

「なんのこと、雷がイキとかなんとかって?」。ご質問はチョーシのヒトである。

そして解説はアタシの番。何せ、風呂屋のオヤジはすぐ知ったかぶる。

「唄の文句ですよ。『雷さんは粋なやつだよ戸を閉めさせて好いた二人を蚊帳の中』だったかな。いうなれば、雷が鳴るとあわてて家へ入り、雨戸を閉めて蚊帳(かや)ん中へ、つまり布団に潜り込む。好きな者同士ならこれ幸いとなるってことなんでしょ」

「フーン、雷が鳴って雨戸を閉めるのは分かるけど、なんでカヤん中へはいらなくっちゃいけないのよ」

 これはチョーシのヒト。で、アサクサが補足説明をする。

「だってさ、好きな人間同士が雷のおかげで昼間からでも布団の中へ入れる口実になるじゃない。だから雷さんはイキだっていうのよ。これがわかんないとあんたもイキじゃないよ」

「ヘーッ、あたしゃ銚子の海で産湯をつかったんですけどねえ」

「だけど、今の人には蚊帳なんか骨董品だし、こんな文句も知らんでしょうなあ」とこれはアタシ。「そりゃそうよ。あたしだって雷がイキだなんて知らないんだもん」

 チョーシのヒトが口をとんがらして言う。アサクサのヒトがケラケラと笑った。

 フロントは賑やかである。オヤ、どうやら雨があがったようだな−−。

2006年05月23日

フロントの会話は愉快ですよ

 オヤッ、見慣れない青年が入ってきたな。でかい男だ、1m80はあるだろう、細身でおまけに坊主頭なのでバレーボール選手のようだ。

 この青年、フロント前で料金表を眺めながらニコリともせずに言う。

「ボク、大人です……」。ホウ……。アタシャ思わずニヤッとしちゃったよ。

「大人ねえ。どう見たって子供にゃみえないけどなあ」

「アッ、そうですよねえ。二十(ハタチ)なんです。ヘンな言い方だったなあ」

 青年、頭をかき、苦笑いをしながら400円を払った、最近、千葉県から越してきて、銭湯は初めてなんです、とも付け加えた。

 フロントで「小学生、中学生です」という子は多いが、大の男が「大人です」と断るのはめずらしい。逆にアタシから女の子に「中学生?」と聞いて「いいえもう大人です」と言われ、失礼ねッといった雰囲気で訂正されたことは何回もあるけどね。

 愉快な青年である。


 愉快ついでにもうお一人。これは昨日のことである。30半ばかなと思われる男性が閉店間際に飛び込んできた。

「もう時間がないけどいいの?」

「ええ急いで入りますから……」とここまではよくある会話なんだけど、この次がなんとも面白い。

「お風呂はいいんですけど、サウナだけに入りたいんです。急にサウナに入りたくなったんです。時々サウナに入りたくなることってあるじゃないですかァ」

「エッ、サウナだけ?。オイオイお客さんさあ、サウナだけ入りたいっていう気持ちなんかオレにはよう分からんけど、ここは風呂屋だよ、そしてサウナも風呂のうちじゃないの。お風呂はいいけどサウナだけなんていうのは何十年もやっていて初めて聞いたよ。コーヒー屋さんへいってコーヒーはいいからお湯だけくれっていうようなもんじゃないのかな。お客さん、うちは初めてじゃないよね?」

「ええ、前に何回かきています。そうですよねえ、お風呂屋さんでサウナだけ入るっていうのはヘンですよねえ」

「そう、ま、とにかく時間がないから早く入んなよ。よく温まってきなよね」

ということでタオルを借り、一回用のシャンプーを求めてお入りになったんだが、いかがですかな。何気ない会話でも愉快なことをおっしゃるおヒトもいるんですよ。

 だからフロントは退屈しないともいえますけどね。

2006年05月22日

これ以上ガッカリさせないで

 先日このブログで「入浴料金改定」についてちょいと触れさせてもらったら、今日「銭湯好きなだけに一言」と題したコメントをもらったんですよ。

 内容は浴場業界に対するご忠告、いやご叱責ですかな、とにかくアタシャ拝見して風呂屋のオヤジがシャレで書いてるつもりのコンニャクみたいな一文に真っ向から斬り込まれてきたんで少々ビックリでしたなあ。かいつまんでご紹介しましょう。

「今回の値上げのニュースに関連して、銭湯経営の厳しさばかりが聞こえてきます。もしかして、お客が減っているのを『内風呂の普及』とか『価格の高さ』のせいだけにしていませんか?。銭湯の経営者はもっとお客を増やす努力を真剣にすべきだと思います…(略)…残念ながら銭湯は設備の面でもサービスの面でも企画力の面でも宣伝の面でも、ここ十数年まったく進歩・努力が感じられません。これでは客が減って当然です…(略)…なぜお客が減るのかをもっと真剣に考えてください。真剣に考えれば改善できることはいっぱいあるはずですよ。私のような銭湯が好きな人たちをこれ以上ガッカリさせないで下さい」とまあ、こういうことなんですがね。

 風呂屋稼業五十年、銭湯の栄枯盛衰?を体験してきた者にとっては思わずウーンと唸っちゃいましたよ。「な〜んにも努力をしないで客が減ったの厳しいだのと泣き言をいうな。フロ代を上げる前にもっと真剣に考えろ!」というんでしょうなあ。そして「銭湯が好きな人間をこれ以上ガッカリさせるな」と締めてあるのには参りましたなあ。これ以上……ということは普段、ガッカリしながら銭湯をご利用なさってんでしょうかねえ。だとすればオドロキですし、申し訳なく思いますよ。

 そこで風呂屋のオヤジの言い訳となっちゃうんですが、聞いてください。

 まずは利用者の減少を「内風呂の普及」のせいにしているということですが確かにその傾向はあります。この点についてはいろいろ議論もあるんですがコムズカシイ話はこの際抜きにして、今回の料金改定はお客さんの減少もさることながら、本題は消費税の導入と原油の高騰ということなんです。油の異常な値上がりはご存知の通りですが、アイスクリーム一つにも掛かる消費税については従来、浴場料金は内税方式を取りお客様からは頂かなかったのですが、本年より課税基準が3000万円から1000万円に引き下げられたので大半の浴場が課税対象になったため「やむを得ない、頂くことにしよう」となったのです。ご理解くだされば有り難いですけどねえ。

 次いでもう少し言わせてください。お客さんは「銭湯はここ十年以上、設備・サービス・企画・宣伝の面でまったく進歩・努力がない」と断じられましたが、風呂屋は風呂屋なりに努力らしきことはやってんです。お客さんには「そんなもん努力のうちに入らん」と言われそうですが、例えば設備については、東京の平均的な浴場であろ
うという当湯でいわせてもらえば、昭和60年代までの深風呂、浅風呂の2槽式だった形態から現在はサウナ・ミスト・座風呂・水風呂・薬湯など8種類の浴槽を設けてあるんです。そのほか露天風呂に歩行浴などを備えている所もありますしね。

 次に宣伝ですが、浴場組合としては昭和五十年代にテレビの5分間CMにラジオのスポットなどをやったことがあり、平成に入ってからはお客さんもご存知だと思いますが浴場広報誌「1010」を発刊してほどほど好評を得ているんです。また個々の浴場でもそれなりに頑張ってはいるんです。しかしそれでも現実は厳しいんですよね

 え。あッイカン!、ここでキビシイなんて書くとまたお叱りを受けそうですから、今日はこの辺で止めときます。最後にお客さんねえ、一度当湯へお遊びに来てくださいな。そしてゆっくり湯に入って「改善できることがいっぱいあるはず」という点をご指摘頂けたら有り難いんですけどねえ。ぜひお運びのほど−−。

2006年05月17日

雨の三日も降ればいい

 ここんところ降ったり止んだり、薄ら寒かったり蒸し暑かったり、何ともはっきりしない天気が続いている。陰鬱な、そうインウツな毎日である。

 開店早々にお見えになった80のご老体がつぶやくように言う。「こんなにジメジメした陽気だと、俺んとこのアパートはナメクジがわいてくらあ」

 ホウッ、ナメクジねえ。その昔、古今亭志ん生が墨田区業平に住んでいたという時雨が降るとすぐナメクジがわいてくような貧乏長屋だったらしく、世間はナケクジ長屋と呼んでいたそうが、マンションが林立するご時世にナメクジの表現がちょっと面白かったので、何となく志ん生の話を思い出した。そして昨今のフロントはまずぐずつくナメクジ陽気の挨拶がイントロになっている。

 いつも定刻に来る近所の飲み屋のおやじさん。70半ばだが、アタシの「毎んちヤな天気が続きますなあ」に対して「ウンしょうがねえよ。これじゃあ商売あがったりだ」とでも言われるかと思ったら、なんと「うん、これはね低気圧による寒冷前線が北上した結果でさあ、まだこの天気は続くよ」と宣われた。

ヘエーッ、アタシと似たような古い人間であろうおヒトの口からカンレイゼンセンのテイキアツだのというセリフが軽ゥく飛び出してきたのには少々驚いたね。ご時世ですなあ。

 今の天気予報、じゃない気象情報は図解付きで微に入り細にわたって教えてくれるから、ちょいとしたお方はみんな気象予報士並みなんですなァ。

 さてお次に登場するのは60過ぎの男性。時折見える研屋さんである。研屋さんと言っても今の若い人はピンとこないかな。刃物の研師ですよ。「切れなくなった包丁やハサミを有料で研ぐことを仕事にしている人」と説明したら分かるかな。

 自転車に研台一式を乗せて下町界隈を回り所定の場所(といっても道端だが)にマットなどを敷いて店開きをするんである。屋根のない露天での商いだから雨には極端に弱いんですな。「いやあ、もうこの頃はまったくダメ。『ニコヨン殺すにゃ刃物はいらぬ雨の三日も降ればいい』なんていうけど、こう降られたんでは俺も殺されたようなもんだ。ケッタクソが悪いから一杯引っ掛けてきちゃったよ」

 ウーン、雨の三日もねえ−−。でもトギ屋さんさあ、アタシらだってこう降られちゃったらお手上げなんですよ。なまじ風呂屋はでかい図体で商売をしてるから、ちょいと降られたらもう赤字なんですわ。そう、トギ屋さんは雨の三日も……、と言ったけど、銭湯はねえ「風呂屋泣かすにゃ刃物はいらぬ雨が一日(いちんち)降ればいい」ですかなあ。だから毎んちウジウジぼやいてますよ。今日は陽が照ってるけど、夜になるとまた降ってくるんですってねえ。困りますなあ−−。

2006年05月15日

元気を出さなくっちゃ

「どうも左手のほうが痛くってね。痛み止めの薬を飲んでいるんだけど、いつまでもよくないんで医者に言ってみたんだ。薬があわないんじゃないか?ってね。そしたらじゃあ薬を替えてみましょうって違う薬を出してくれたんだけど、これ飲んでるとまた調子が悪いんだよなあ。何か医者も無責任のような気がすんだ」

 と話されるのはAさんという60過ぎの独身男性、常連さんである。一年ほど前に軽い脳梗塞をおこしてしばらく入院されたんだが、最近は通院で治療に専念ということである。フロントでまずは病状を話される。切なそうでもある。

 アタシもここんところ寄る年波のせいか体調が今いちないので、お客さんの気持ちはよ〜くわかるんですな。で、ご同情申し上げ、元気付けるような会話に努めてんです。そしてね、この手の会話で禁句だと思ってんのが二つあるんです。それは「痩せましたね」と「顔色がよくないですよ」というセリフなんだけど、話の流れの中ではともかく、いきなり「痩せましたね」と言われたんではダイエットに励んでる若い女性ならともかく、何らかの体調不良を抱えている中年以上の方にはいい感じはしないでしょう。実際アタシも調子がよくない時に「オヤジッ、顔色が悪いよ、痩せたんじゃないの」といきなり浴びせられてドキッとさせられたことがあるんですな。フロントは相手が気にするようなことは言わんほうがいいですよねえ。

 さて、Aさんが入浴された後70ほどの男性が入ってきた。こちらも毎日の常連さんであり、Aさんとは風呂仲間である。この方はKさんという。

「今、Aさんと病気の話をしていたんだけど、あんまりよくないようですなあ」

「そう、Aさんね、この前俺に調子はどう?って聞くから俺はすっかりよくなってもうどっこも悪いとこないよ」と言ったんだ。

 そういえばこのKさんもちょっと前に体調を崩して2週間ほど入院されたんだ。

「そう。でもさあ、Aさん大分調子が悪そうだから、Kさんが、俺もあんまりよくないんだってなことを言ってやればAさんも少しは気持ちが違うんじゃないの。同病相哀れむ、じゃないけど……」

「ホホウそっか、そういう慰め方もあんのか。自分だけ具合がよくないんじゃ滅入っちゃうもんなあ。なるほどねえ」。Kさん、笑いながらうなずかれた。

 アタシャ少々元気がなく何かとボヤかれる人にはそれとなく励ますようなセリフを言う。これも気分爽快を売り物にするフロントの責務?だと心得ている。しかしねえ、ホントはアタシのほうが慰められたいジジイになっちゃったんだけどね。

2006年05月12日

入浴料改定

 6年ぶりに入浴料金が改定された。大人430円で中・小人は据え置きである。

 近年、浴場の主燃料である重油がベラボーに値上がりしちゃったんだ。何せ一年で2倍以上になったんだから風呂屋は悲鳴を上げちゃう。さらに消費税等の上限引き下げ等もあって「お客さん、カンベンしてくださいな」となったんである。久しぶりに30円上がってお客さんはどんな反応を見せるだろうか。

 ハタチ過ぎたばかりという青年。最近地方からでてきたという。

「30円の値上げですかあ。2日に1回だから月に450円のアップか。家賃が……円だからう〜ん、ちょっと痛いな。3日に1回になっちゃうかなあ」

 毎日でサウナの常連男性、もう66だというが独身だそうである。

「サウナはどうなんの?。ああ据え置きねえ。でも30円と言うのは小銭が必要だから面倒臭いな。入浴券を買えばいいんだな」。あまり数字には頓着が無さそう。

 80のこれも毎日のおばちゃん。明るい人である。

「久しぶりだから目立つけど30円ならねえ。でもさ、あたし入浴券をこの間買ったばかりだけど、値上がりしても使えんの?」

「そりゃあ大丈夫ですよ。今の券は6月一杯が有効期間ですから、6月までは値上げ分の30円じゃなくて20円を添えてください。そして余るようだと新券に交換しますから大丈夫です。今度の入浴券は10枚で4000円、300円のサービスになるんです。今までは10枚3800円で200円の割引でしたけどね」

 次いではやはり独身の40代男性。

「オヤジさんさあ、今の入浴券を買いだめしておけばしばらくは今までの値段で入れるんじゃないの?」

「あのねえ、入浴券は6月一杯が期限なのよ。7月からは新入浴券になるんだ。タバコの値上げじゃないから買いだめは効かないんだよね。悪いなあ」

 60半ばの男性。社会情勢などに一家言をお持ちの方。値上げについて何か苦言を呈されると覚悟していたが、あにはからんや柔らかかった。

「風呂屋さんも不景気でどんどん廃業していくからなあ。今回のように原油が大幅に上がったら30円位の値上げじゃ足りないだろ。俺たちは銭湯が無くなると困るんだから値上げはやむを得ないよなあ」。ホホウ、ご理解、感謝いたします。

 さてシンガリは70の常連おばちゃん。こちらも明るい方なんだがねえ。

「食べる物も上がってタバコも上がってこれも(と酒を飲む仕草をした)上がるんでしょ。そしてお風呂もねえ。なんでもかんでも上がっちゃうのは政治が悪いのよ。コイズミがだめなのよ。み〜んな上がっちゃうからあたしの血圧もピーンと上がっちゃったわ」。ウ〜ン、おばちゃんゴメンネ。血圧には気を付けてね−−。

2006年05月10日

相撲がツマンナイんだよなあ

 脱衣場のテレビが大相撲・夏場所の熱戦を報じている。しかし、近年のお客さんはどうも相撲にシラけてんだよね。そして異口同音に言うんだ。

「相撲がつまんなくなったなあ」と。

 そんなであるから脱衣場桟敷も一向に盛り上がんない。湯上がりにじっくりと観戦しているお客さんも少ないし、皆さん用が済むとさっさとお帰りになってしまう。そしてね、お客さんの大相撲に対する批判もまた辛辣なんだ。

「見なよ、客席の上のほうはガラガラじゃないか。人気ないねえ」

「外人ばっかりだもんなあ。これじゃ国技とはいえないよ、国際競技だな」

「そうだよなあ、それにしても日本人は弱いねえ。朝青龍に次いで琴欧州、白鵬だろ。そして今度は把瑠都かい。とにかく日本人の強いやつが出てこないと相撲はツブレちゃうぜ」。

 ね、厳しいでしょ。そこで風呂屋のオヤジの相撲談義を一つ。

 かって貴乃花、若乃花が全盛の頃には曙、武蔵丸というドデカイ外人がいたよねえ。そして弁慶のような外人を倒す白面の判官、若・貴にファンはもう熱狂したんだ。ところが近年は朝青龍の独壇場で対抗する日本人力士はその影すらみえない。

 日本人力士あっての国技じゃないのかな。これじゃあ土俵も盛り上がらないさ。

 しかしそんな状況も今場所前は少〜し違ったんじゃないかな。白鵬の大関昇進に栃東の綱盗り場所であり、何よりも一人天下を欲しいままにしていた朝青龍の強さに陰りが見えてきたんだな。不敗街道を進んできた気の緩みかオゴリか、慢性的稽古不足を指摘されていた朝青龍がここ数場所、脆くも土俵に這うシーンが見えてきて、朝青龍与し易しの風が吹き出してきた。で、「今場所の賜杯の行方はわからんぞ」となってきたことにファンは大きな期待を抱いてきたんだ。

 ところがところがだ、天下の敵役?朝青龍が2日目・若の里戦で腕を痛めての欠場であり、栃東が序盤・6日目にして4敗という体たらく、多分休場だろうが、もうもう話にならんよ。それでも新大関・白鵬に期待したのかお客さんは程々国技館に足を運んでくれてるようだが、脱衣場桟敷は見る人とて居なくなりそうだ。

 それにしても外人は頑張っているよねえ。現在、相撲取りの総数は744人でそのうち外人は61人だそうである。全体の1割もいかないんだな。しかし、その中の15人が関取に昇進してんだ、何と4人に一人だよ。幕内42人の3割余、3人に一人が外人だ。裕福なニッポンで育った若者とハングリーな外人との差が歴然だよ。この構図が大相撲をつまらんと言わせる大きな要因なんであろう。

 さてもっと書きたいが紙数がないから打止めにするけど、これからはもう内外を問わずに土俵の好取組だけをを楽しまなくてはなるまい。しかしなあ、そうは言っても国技・大相撲の土俵は日本人スターがほしいねえ−−。

2006年05月06日

イキな人

「さ〜て帰ってテレビでもみるか。もう風呂入ってメシ食ってションベンして後はテレビしかないもんねえ」。80近いであろう常連さん。短く刈りこんだ髪が黒ぐろとしている、腰もシャンとしている。そして明るく冗談の達者な人でもある。

 そんなお若いご老体とおしゃべりをしているところへ50半ばの女性がお見えになった。簡単な挨拶で脱衣場へお入りになったんだが、その後ろ姿を眺めたご老体

「今の人、なかなか粋な感じのヒトだね。今時めずらしいよ。よく来るの?」

「そうですね、時折見えるんだけど、料理屋の仲居さんだとか言ってましたね」

「そう、なんとなく粋だねえ。だけどさこの頃、粋な女っていうのがいなくなったねえ。浅草や向島の芸者だって粋な芸者なんて少ないらしいよ」

「粋な女(ヒト)ねえ。確かに少なくなったですよね。大体もう『粋』っていう言葉が使われなくなってんじゃないですか」

「ほんと、昔はさあ、立てばシャクヤク座ればボタン歩く姿はユリの花、なんていう言葉があってさ、いいオンナがいたもんだけどねえ」

「そうですねえ、今は、若い人がやたらときれいになっちゃったけど、アタシなんかにはみ〜んな同じに見えちゃうんですよねえ。ダンナの言うようにシャクヤクやボタン、ユリなんていう艶やかで風情のあるヒトはいなくなりましたなあ」

「そッ、だけどもうイキだのシャレなんていう時代じゃなくなったんだな」

 小粋な女性の入来でご老体と思わぬ「粋な美人談義」になっちゃった。ちょっと古い話だけどね。そしてご老体の粋談義は男性にも及んできた。

「だけどさ、粋な女がいなくなったけど、男も粋な男なんていうのは見かけないねえ。セコセコした野暮ったいのばっかりだ」

「そうですなあ、イケメンだのカッコイイだのっていうのは仰山いるんだけど、粋な男、さっぱりして垢抜けた男っていうのは少ないですなあ。ユリやシャクヤクじゃないけど、立てばパチンコ座ればマージャン歩く姿は馬券買い、なんていうご時世のせいか、確かにシャレっ気のある男の人は少ないですな。ま、野暮なヒトが多いってことですかな。もっともアタシだってヤボそのものですけどね」

「いや、あんたはなかなかイキだと思うよ。書いてる文章がなかなか粋だもん」

「エッ、アタシがイキ?。そうですかなあ?」。なかなかイキですかあ……。

 でもねえ、アタシャおやじさんより若いんだけど、もうおやじさんほどの元気もないし、情けないけどアタシのイキは『何とかイキ長らえてる』ってヤツですよ。

2006年05月05日

亀田兄弟のボクシング

 脱衣場のテレビはボクシングの亀田兄弟の試合を報じている。結果は兄弟恒例のパフォーマンス予告通り、弟の大毅が1Rで、兄の興毅が2Rでと、簡単に?KOで決着をつけてしまった。

 今、カンタンにと書いたが、ボクシングの試合で簡単にケリがつくということはラッキーパンチが入るか、余程の力の差が無い限りまず有り得ないとアタシャ思ってる。それがいとも簡単に予告通りのKOで仕留めてしまうんだから、ヘソ曲がりなボクシングファンはスゴイという前に何となく首を傾げてしまうのである。

 脱衣場で年配の男性がつぶやくように「出来レースみたいだな」と言った。アタシも実はそんな気がしないでもなかったのだ。四角いジャングルで死闘を展開する選手にとってまったく無礼千万の話なんだけどね。

 確かに亀田兄弟の素質は素晴らしいものがある。初めて兄の興毅を見たとき、テレビで騒いでるほどのもんじゃないだろう、と軽く思っていたのだが、厳しいトレーニングがうかがえる締まった体にスピードのあるパンチ。そして何よりもガードのしっかりしたファイテングスタイルに感心したのである。

 しかし、だからといってデビュー前から派手にKO予告をブチ上げ、その通りの結果を出していくなんて、これはまさに稀代の天才ということになるんだがねえ。

 今日はヘソ曲がりファンの言いたい放題なんだけど御容赦のほど。

 ここで亀田の試合を振り返ってみると、いつも接近戦でスピードに乗ったパンチを繰り出し、相手も同じように応戦する。だがさしたる抵抗もしないうちに一発もらうと引っ繰り返ってしまう。デビュー以来10戦、そのほとんどが同じパターンであ、。足を使うアウトボクサーやストレートパンチャー、カウンターパンチャーは一人もいなかった。「それだけ亀田の踏み込み、つまりラッシングパワーがスゴイんだ」と言われればウーンと唸っちゃうしかないなあ。

 兄・興毅は現在WBC3位にランクされているが、対戦相手は32位だとか。世界戦の前哨戦にしてはまるっきりの格下ということになる。さらに弟の大毅はまだ3戦。従来なら4回戦・6回戦程度のキャリアだが8回戦のセミファイナルに登場させ、それなりのパフォーマンスでKO勝利を上げさせる。今や亀田兄弟はボクシング界のアイドルであり、救世主でもある。

 ここでブン殴られることを覚悟で言わせてもらうんだけど、亀田兄弟の試合はパフォーマンスで盛り上げ、派手なKO劇を演出するプロモートでありマッチメークなのかもかもしれないと−−。しかし現在の沈滞するボクシング界復興のためにはこれも必要なことなのかもね。

 これから亀田兄弟が真に世界の強豪を相手に今のようなKOの山を築いてくれたらアタシャ己の幼稚な邪推を恥じるし、ぜひそうあってほしいと願う次第だ。

2006年05月01日

浴場も全面禁煙です

 浴場本部から通達がきた。ツータツである。

「公衆浴場施設内での全面禁煙のお願い」となっている。「健康増進法第25条において、学校、体育館、病院、官公庁施設、飲食店に公衆浴場も受動喫煙防止のため必要な措置を講ずるように努めなければならない」と規定されたそうである。さらに厚生労働省、東京都からも要請されているという。銭湯を健康増進の拠点にしようということである。悪くない。

 銭湯の禁煙についてはもう数年前から議論されていて実際に実施している浴場もあるんだが、愛煙家に配慮して禁煙に逡巡していた銭湯がまあ大半だったんじゃないかな。ところが今度はお役所からの一言であり否も応もない、従わなきゃなるまい。お奉行に背いて「入牢申し付ける」な〜んてことになったらエライこっちゃ。

 アタシね、タバコ好きなんですよ。

 5年ほど前だったかなあ、高まる禁煙の世論に対して全国浴場新聞に「愛煙家って害人なのかなあ」というボヤキの駄文を書かせてもらったことがあるんだ。その一部をちょっと抜き書きしてみよう。

−−近年、喫煙が悪のような風潮のせいか、どうも肩身が狭い……。ダバコ好きは嫌煙派の前では煙を出すことさえはばかる。紫煙−−という何とも情緒のある言葉でさえも毒ガスのような扱いだ……タバコが有害と断定されたのは肺ガンが病気の死亡率のトップになってからであろう。タバコのパッケージには「喫煙はあなたにとって肺ガンの原因の一つになります」と書かれてある。大JTも「吸うと毒ですよ」と言わせられて売ってんだからヘンな話さ……近年、業界でも禁煙論議が盛んである。「禁煙浴場にするとそれがウリで新しいお客さんが来るんじゃないか」

「いや湯上がりの一服を奪ったのでは入浴の魅力が半減する」と両論がある。

 で、両論併用と行きたいところだが、限られたスペースの脱衣場ではなかなか難しい。しかし、日増しに増える嫌煙家への配慮は公衆浴場の大きな課題であろう……

 しかしなあ、もし脱衣場を禁煙にしちゃったら当然アタシも吸えなくなる。アタシャお客さんの前ではタバコを口にしないが、何せ一んちン時間もフロントに座っているんだから客のいないときにはプカッとやっていたんだ。けど、これもダメとなりゃあいよいよニコチンとの決別を覚悟しなけりゃなるまい……。

 といったようなことなんだが、お上が直々に禁煙にせいッとのご下命である。こりゃあ万難を排しても実行せにゃなるまい。客に禁煙を強いて風呂屋のオヤジがこっそり……ではスジが通らない。ブン殴られらあ。アタシにとっては禁煙のいいチャンスかもしれない。
 
 さ〜てどうやって実行するか。その前にとりあえず一服だ。






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